修理

お仕事通信『カットソーカーディガンの修理』

お気に入りが大変な事に!

「ご相談があるんです。ちょっとタイヘンな事になってしまって~」

そろそろアトリエを閉める時間が近付く中、お電話頂きました。ちょっと早めにお客様のところに伺って、見せてもらった品物に「えぇ~?なぜこんなことに?」実は~とお客様。アンサンブルでお仕事に着て行かれたそうですが、なんと!シュレッターにカーディガンが挟まれてしまったそうです。見るも無残なことになっていて、なるほど見てみないとなんとも説明できなかったでしょうね。「なんとかなりますか?」って言われて、じっくり拝見したところ、ウエスト辺りで切り替えてペプラムになっていました。

そこで御提案したのが、ペプラムを外して、傷部分をその生地で隠し、裾にテープを移動させるという内容でした。前立ては、下前の切替下をカットしてつなぐと、雰囲気も然程変わらないのではないでしょうか?とご説明しました。

早速作業してみると、キズ部分は大胆に切り替えたほうがデザインのように見えると気づきました。切り替えたところに手持ちのパワーネットで作った裾と同じ幅のテープを挟んでステッチで抑える。勿論キズ部分は斜めにカットして生地端をかがり始末して、さもそういうデザインのように仕立ててみました。

全体はこんなカンジです。

ウエスト下までのボレロ風になりました。アンサンブルの下を一緒に着て前ボタンを外せば、また違った雰囲気にできると思います。ワンピースの上に羽織ったり、インナーをタンクトップにしたり、丈が短いところを生かした着こなしを楽しんで頂けたら嬉しいです。裾周りは広めなので案外気になる部分に目線が行かないのでは?とも思っています。

これほどのキズ加工は滅多にないことですが、デザインを確認し、ともすれば生地や付属を追加して全くタイプの違う一枚に出来る場合もあります。予期せぬトラブルが発生しても是非!慌てずに、ご連絡ください。可能な限り再生を目指して、様々な御提案をさせて頂きたいと思います。