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お仕事通信『チュールスカートの丈詰め』

チュールは裾をカットするだけ~なんですが・・・

昨今街でよく見かける二重チュールのスカート。今シーズンはトレンドの合わせて丈が長めのようです。お預かりのスカートは丈87cmのマキシ丈。さすがに長いので、ふくらはぎがきれいに隠れる丈にカットをご希望です。

実はこのふくらはぎがきれいに隠れる丈は、足をほっそり見せることができる素敵な丈なんですよ。この丈が流行るのは、私的にも嬉しい!ただウエスト位置を低めに着用される方が多いのが残念。TOPSをinnで着るなら、少しウエスト位置を上げてみましょう。背筋が伸び、より足長にみせることができます。

チュールは、そもそも断ち切りで仕上げています。つまり裾を鋏でカットするだけ!

でも、問題はカットの仕方なんです。このスカートは10ピースの生地をはぎ合わせてあります。縦の縫い目が10本あり地縫いミシンはなく、かがりミシン(4本ロック)のみの縫製です。糸をそのままカットすれば、だんだんばらばらになっていきます。なので、まず縫い目を始末します。糸を外してみると、所々、接ぎ目位置の長さがバラバラになっていて「あちゃー」でした。

そこを加味して1ピースごとにカットしていきます。結構慎重にカットしないと、手振れでカット面がギザギザになります。二重なので計20ピース。かなりの集中力のいる作業でした。でも、こんな風に糸をしっかり始末しておけば、安心して着られるし、お手入れも不安なくできると思います。

少し軽さが出ていいかんじに仕上がりました。ふんわりと横に広がりが出て、よりフェミニンに着こなせるのではないでしょうか?秋のコーディネートを楽しんで頂きたいと思います。

ロングスカートは、お召しになるお客様の身長や腰位置、トレンドの捕らえ方によって様々です。ポイントはひとつ・・・長いモノはいくらでも短く出来ますが、短いモノを長くすることは難しい。今年は長め丈を存分に楽しんで頂きたいので、カットは最小限をオススメしております。