“ドットボタン”は外せない!
様々な製品に使ってあるドットボタン。「スナップボタン」「アメリカンホック」呼び方は様々あります。近年本当に良く見かけるようになりました。時々「ボタンが外れたのでつけてもらえますか?」とご依頼を頂戴します。が、そのボタンが”ドットボタン”の場合、サイズや仕様が合わず残念ながらお引き受けできないことがしばしばあります。
ドットボタンは、上前下前それぞれの生地の穴をあけてボタン受けを差込み、上から圧力を掛けて打ち込みます。真っ直ぐに打ち込まないと芯がゆがみ上手く取り付けができません。生地の厚み、ボタンの大きさ(大きくなるほど芯が高くなる)など、ピッタリのものが市販では中々手に入らない。そして大きさによって使う器具も違うので小さな補正屋さんで揃えられない現状があります。
今回お受けしたコートの袖タブに、ドットボタンがありました。
取り付けてあるボタンは外すことができません!これは、どの製品にもいえます。今回のコートの袖もタブそのものが全く動かせない!なので、タブ際迄の袖丈詰めを御了承頂きました。コートのファスナー際やパンツのウエストにある場合は、お直しの内容によっては咬んでいる縫い代を切り取ったりする場合もありますので、実際にお品物を拝見して検討させて頂きたいと思います。
ジャケット・コート・パーカー・シャツ・パンツのウエストなど、何故こんなにドットボタン仕様の製品が増えたのか?正直”謎”だったんで調べてみました。縫製工場の機械を検索するとこんなマシーンがありました。ドットボタンを取り付ける専用の機械です。
なるほど!私はアパレルの制作現場にもいましたので知ってるんですが、そもそも縫製工場では製品を縫い合わせて形にするところまでが仕事です。ボタンやホックをつけたり、ループをつけたりするのは『まとめ屋』という専門のセクションで行われます。でも、このマシーンが工場にあれば一撃でボタンがつく!ボタンまで一気に進み、かなりのコストカットになることでしょう。そして、様々な色やデザインが展開でき服のポイントにもなります。だから、多用されているんだと思います。
もちろん、お店によっては手動の圧縮機を持ってあるところもあると思います。皮製品などには逆に必須です。もしも、ドットボタンを付け替えて欲しい場合は、まず可能かどうかをご確認ください。袖丈や着丈を短くしたい場合は、ドットボタンの2cmくらい下までが限界だと思いますので、ご依頼の前に是非ご確認ください。