修理

お仕事通信『裾上げテープのご注意』

恐怖の裾上げテープ??

スカートの裾のすくいが外れてしまった!パンツを取り急ぎ丈上げなきゃ!こんな時に便利なのが市販の”裾上げテープ”です。アイロンでササッと処理できます。お値段も補正出しに比べれば割安だし、簡単で便利だろうな~って思います。ところが・・・我々にとってはこのテープは『恐怖の裾上げテープ』なんです。

丈詰めのご依頼で、裾でテープで始末してあると「あら~嫌だな~」ってなる。

なぜかと言うと、家庭のアイロンでつけるテープは低温で弱いスチームでも可能な様に、かなりノリが強いんです。我々は一旦スチームを吹き付けノリを柔らかくしてから剥がします。でも、必ずノリ痕が残ります。

 

 

 

今回の様に、生地そのものが芯で裏打ちされていると、その芯が伸びてしまいます。それをアイロンを使って元に戻すように作業するんですが、残っているノリがアイロンに付くんです。だから通常とは違う当て布が必要です。今回は、裾をまつり直すだけで、丈を上げないので再生できましたが、丈詰めがあれば、縫い代にノリが付き妙にピタッと張り合わされてしまいます。織りの粗い生地やストレッチ素材などは伸びが戻らなかったり、布端がボロボロになったりします。テープで上げた状態でクリーニングすれば、クリーニング屋さんが強力スチームアイロンで仕上げますので、ノリの密着度が上がり益々剥がしにくくなります。

急場をしのぐための裾上げテープ。もしその後、裾始末をご要望される場合は、是非クリーニング前にご依頼下さい。