お直し

お仕事通信『ウエストのゴム仕様』

ゴムは伸びます!

最近よく見かけるウエストがゴム仕様のスカートやパンツ。生地を折り曲げて中にゴムを通してあるものは、もちろん取替え可能ですが、問題なのはウエストに直接ゴムを縫い付けてあるタイプの製品なんです。(画像は引用しました)

ウエストに使われる平ゴムを調べてみると、実ははっきりと耐用年数が出てきません。実際にお客様からお話を伺うと、約2年程度で伸びてゆるゆるになっているようで、これを経年劣化と呼びます。平ゴムは、その幅に合せて細いゴムを織り込んでいきます。で、製品につけるときは、ゴムを直接ミシンで縫い付けます。現在はミシンの機構が進化し通称『フラットロック』と言われる伸びを止める事なく掛けられるミシンがあり、製品に多様されるようになってきているんだと考えています。

ともあれ、一度ミシンが入るだけで伸びていきますので、やはり一旦別布でベルトを作って中にゴムを入れる事を推奨しています。中に入れる場合はベルトにギャザーが寄るので、新品のゴムでも約1cm近くは伸びます。もちろん、お客様のご希望の寸法になるように調整して仕上げますので、そこはご安心下さい。そんな理由からゴムは再利用しないことを原則としております。

レディスのアウターの場合はその後、ゴムのみ交換すれば、長く着用頂けると思いますが、昨今流行のランニングなどに使うスポーツタイツなどは、ウエストを外すことが出来ません。(ゴムだけ詰めてまた付けるとゴム下にしわが寄りますから)そのままの状態でゴム詰めすることになります。

今回ご依頼頂いたお客様は、そもそも華奢な方でSサイズでも走っていると、だんだんウエストが下がってくるので何とかしたい!とのことでした。

デザイン的に後中心に横入れポケットがあったんで、その真上でゴムを詰めました。摘んで縫い押さえる(カットしない)ので、4cmくらいは入れられないと厳しいと思います。

この手のタイツは履き方や体型によって耐用年数はバラバラなようです。『新品は本番用に~』とされる方が多いようですね。セールでまとめ買いって方もいらっしゃるようで、消耗品と位置づけるべきなのかもしれません。

アウター(スカートやパンツ)としてのウエストゴム仕様は、楽チンでお手軽なものが多いようですが、もしもお気に入りで長く楽しみたい!とのご要望がありましたが、劣化し始めた段階で、お直しをご検討ください。