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おしごと通信【モード界の皇帝逝く】

カール・ラガーフェルド氏が亡くなった。

2019年2月19日【カール・ラガーフェルド氏死亡】の一報を目にして驚いています。確かに2019年春夏オートクチュールコレクションの最後の挨拶に彼は現れませんでした。でもまさか・・・

オシャレな方なら必ず知っている『シャネル』ですが、1970年代は低迷を極めていました。そのテコ入れのためにオファーされたのが、カール・ラガーフェルド氏でした。一度は就任を断わったようですが、1983年のコレクションからデザインを始めました。今でこそ”モード界の皇帝”と呼ばれていますが、最初のコレクションは、若々しくポップな雰囲気を前面に出し、往年のシャネルの顧客は決してwellcomeではなかったようです。

大胆なラインやカット、大振りのアクセサリーにブランドロゴのデザイン化など様々なデティールは時代にフィットしていてもココ・シャネルのテイストや考え方はそのまま引き継いだと私は思っています。彼女はジャージ素材をプレタに昇華させ、カールはデニムをプレタに昇華させたと感じています。どちらの素材も手軽で気軽に着られるカジュアルな素材です。でもアクセサリーの扱いや生地の組み合わせによって、グレードを上げる事ができる!それを目の前で披露した頂いたように思います。

 

 

 

 

最新のオートクチュールコレクションでは、シャネルスーツをボートネックで展開し、長め丈のスリットの深いスカートと合わせていました。見慣れたシャネルスーツも彼のフィルターにかかれば、更にシックでエレガンスです!だた、なにも知らずに観た2019年のコレクションを、私は何だか『原点回帰』と感じていました。今に思えば、長年のシャネルに対するオマージュを形にしたのかもしれません。彼自身、心に期するものがあったのではないでしょうか?

元々ふっくらした方でしたが、40kg以上のダイエットで大変身!2000年ショーの最後に挨拶に現れた彼の姿には、関係者も観客も度肝を抜かれました!

ストライプのディオール・オムのスーツを超かっこよく着こなしていました。そこからモードは一気に細身に向かっていったんです。今の紳士スーツのパンツって細身でしょう?彼の影響も大きいと思います。そのくらい、モード界を革新し、様々な取り組みをカタチにしてファッション業界全体に多大な影響を与えた功労者だと思います。それだけに今は喪失感に苛まれています。

ブランドの復活劇を演出したり、ファストブランド(H&Mやディーゼル)とコラボしたり、音楽業界で言えば、カラヤンのような存在だな~と感じています。たくさんの本に囲まれたショット。この大量の本に中からもきっと、様々なアイディアや素敵なインスピレーションを受け取っていたんでしょうね~。

今後ブランドは、長くディレクターを努め彼を支えていたヴィルジニー・ヴィアールに受け継がれます。また新たな息吹でブランドが進化していくことでしょう。カール・ラガーフェルド氏の様々な功績を称え、心よりご冥福をお祈りいたします。