“フリンジ”というクチュール技法
長年お召し頂いているお洋服に新たなニュアンスを与えて雰囲気を変える!なんて考えたことがありますか?いつもお世話になっているオーダーサロンで学んだテクニックをご紹介します。

『フリンジ』といいます。
裾をフラットにして繊維の横糸を抜いていくテクニックです。Gパンの裾やストールの端などで、目にされることもあるのではないかと思います。今回はワンピースの裾アレンジでした。全体に軽さがでてシックなワンピースが普段でも気軽に着まわせるように仕上がりました。袖口も同じように”フリンジ”しています。少し短めにしてチュニックとしてワイドや細身のパンツとあわせるご要望です。軽快な雰囲気ではありますが、エレガントな要素もしっかり残っています。
ただ”フリンジ”するには、多少の条件があります。まず、平織りであること。そして地の目(縦は身体の中心に真っ直ぐ、横は床に平行です)が整っていること。そこそこの繊維の厚みがあること。(あまり薄い生地ではインパクトが出ません)などです。素材はウールや麻・コットンなどの天然繊維が適しています。縦糸が丈夫できれいに、ふんわり感のあるフリンジにできます。フリンジする場合、裾を折り上げないので重みがなくなります。そこで、裏にテープを貼って張りと重みを出します。こうすれば、必要以上に繊維が解けず、動いても形状が保てます。今回は裾幅が広くなかったので、動きやすいように両脇に短めにスリットを入れました。
残念ながら、オーダーサロンのオリジナル品なので全体の画像をお見せできませんが、「こんな方法もあるんだー!」とご理解頂ければ有難いです。ちょっとしたニュアンスの変化で、新たな雰囲気を作るテクニックのご紹介でした。