リメイク

お仕事通信『ショートコートの袖外し』

袖を外してロングジレに変身!

「コートの袖を外すことは出来ますか?」お客様からの問い合わせでした。一言にコートと言っても、デザイン・ライン・仕立て方・素材と様々なので、やはり一度拝見しないと何ともお答えができません。

ジャケットやコートの肩周りは、デザインによって全く扱えないものがあります。まずは、ラグランスリーブ、そしてドロップショルダー。こういうモノは出来ないんです。ただ袖を外すだけでなく肩幅を少しカットしたり、袖の繰りを引き直したり、脇幅を詰めてフィットさせたりと加工が増える場合もございます。

袖を外すイメージは何となく理解できます。近頃トレンドのロングジレ風にしたいのだと推察しました。一先ず拝見してご試着頂くと・・・何と!あれこれ難関をかいくぐり、袖を外すだけでOKな感じでした。ベーシックな袖付け、いわゆるセットインスリーブです。逆に袖の方がエッジが効いていて袖口が広い切り替えのあるデザインでした。

まず袖を外して裏地の様子を見てみるとやはり、多少のダメージがありました。生地の伸びや滑脱。少し縫込んでいけば何とか付けられそうです。今回は再度、袖を付ける事が出来るように縫い代に切り込みを入れずに、アームホールに沿って縫い止めていきました。裏地は星止めで、裏地が滑らないように止付けました。

出来上がって、ちょっとコーディネートしてみました。

これはお役に立そうです。そもそもコートなのでアームホールも広めで、カットソーやニットの上に重ねると、いい雰囲気になります!これからの季節に大活躍しそうです。

かなり大胆なリフォームですが、条件が合えば、こんな風に全く違う雰囲気で、また楽しむこともできますよね。今回は、コート自体が丁寧なお仕立てだったので、カタチも崩れず綴じ付けも目立たなくできました。ほんとうに良かったです。

カタチを変えるリフォームは、確かに様々な制約があるんですが、お品物を拝見して、お客様と一緒に検討させて頂ければ、良いアイディアが浮かんでくる場合もございます。

少し前に買ったお気に入りも、デザインが古くなった~と諦める前に、よかったら見せて頂きたいと思います。