リメイク

お仕事通信『ファー衿の分離』

ファー衿を独立させる

少し前まで、冬のコートやワンピースの襟元によく付いていたファー衿。製品に直接付けてあるタイプと、衿ぐりにボタンで留めるタイプがあります。何と言っても暖かい!でも、昨今めっきり少なくなってきたと思いませんか?

ファーを使うと途端にエレガントさや高級感を演出できます。でも一般的に既製服に用いられるようになったのは最近の話。売れる!人気がある!と、あちこちで保護法を無視した乱獲が進み一部では絶滅が危惧される事態。そこで数年前から有名メゾンで「脱毛皮」が叫ばれるようになってきました。その流れの代替として高級感のあるシャギーが登場しました。確かに見た目も肌触りも遜色ない!でも暖かさで言えばホンモノには適いません。

お手持ちの古くなったコートには、裏打ちしたリアルファーの衿が付いていませんか?ミンクやフォックスは比較的に丈夫で毛飛びが少なく長く使えます。残念ながらラビットはちょっと短命。

本体から外して首元にホックをつけておけば、セーターやカットソーに気軽に使えます。ホック以外にもリボンをつけて中央で結ぶようにするのもカワイイですよ。ロングの場合は、途中に止め具をつけておけば、襟巻きにできます。

と、簡単にご説明しましたが実際に手縫いしてみると、縫い糸を引く度にファーが摩擦で引っ張られて糸穴に埋まるんです。そこにはやはり、ちょっとしたテクニックが必要です。年々その貴重さが増すリアルファー。手放す前に一度、再生可能かどうかお確かめください。デザイン的に加工が難しいものもありますので、是非お持ちになってご相談ください。