お直し

お仕事通信『ジャケットの袖丈詰め』

ジャケット袖丈詰めのご注意点

これからのシーズン、スーツ購入の機会が増える時期ではないでしょうか?袖丈を短くするお直しが徐々に増えてくる時期なので、ここでジャケットの袖の形状についてお話します。袖の仕立ては、大きく分けて筒袖と開き見せ袖があります。筒袖は、ほぼ問題なくお直し出来ますが、開き見せ袖は、ちょっと注意が必要なんです。

         【本切羽の開き見せ袖】                        【飾りホールの開き見せ袖】

【飾りホールの開き見せ袖】は、一旦ホール糸を全て外して袖丈を上げます。素材によっては針跡が目立つ場合があります。飾りホールはまったく同じ形状には出来ないので、ホール機械の形状になります。(別途料金がかかります)ホールなしの仕上げもできます。開き見せの長さは、基本的に現状に近付けます。ボタン位置にチャコ(チョーク)印がある場合は、チャコ痕が残る場合があります。

【本切羽の開き見せ袖】本切羽の特徴は、袖口のボタンが留めたり外したりできること。つまり、最初からホールの穴が空けてあります。だから、ホール糸が外せません。つまり袖丈詰めは一番下のボタンから1cm程のところまでです。だいたい2cm程度迄とお考え下さい。(ホールが動かせないのでボタン下が詰まったカンジになります)また、肩で詰める事も不可能ではありませんが、袖山のふくらみが少なくなったり、袖幅が狭くなったりします。

基本的に袖丈詰めが必要な方はジャケットをお選びの際に、しっかりご試着頂き、袖口の仕様が本切羽かどうかを是非お確かめ下さいませ。男性の場合は、袖丈をどの位詰めたらよいのかも、お店の方と一度ご検討されてみてください。

また、最近では女性のジャケットにも本切羽仕立てが増えています。デザインの効いたものは、袖の別の位置に縫線を作ったりして対応できますが、フォーマルなイメージのものでのその仕様は無理があるので、やはりお買い求めの前に袖口の仕立てを、しっかりご確認ください。「肩から袖丈詰められます」とお店の方にレクチャーされる場合もありますが、様々な条件をクリアしないと、残念ながら不可能な場合もございます。