お直し

お仕事通信『ウエストゴム仕様のパンツにファスナーを!』

所定の箇所に布地を足せばファスナー開きに出来る

近頃、よく見かけるウエストゴムのパンツ。前中央に一応見返しの生地がありステッチでファスナー開き風になっているものも多い。お客様によると、一旦はいてしまえば、ウエストがゴムなので楽だけど、どうやら、脱ぎ着の際にお腹や腰に引っかかってスムーズに出来ないそうで・・・

元々、ファスナーを付けることが可能なように、見返しがあるんですが、実際に使えるのは上前だけなんです。下前は別生地で作ることになります。まずは全てのステッチを外し、ウエストとゴムをカットします。この加工は、そこから始まります今回お預かりしたパンツは上の写真とは違うタイプで、そもそも最初からステッチがない。なので不足分は風合いの合う別生地でご対応します。

仕立ては紳士のパンツに準じて、下前には持ち出しを付けます。なので下前のベルトも足りなくなるので同じ別生地で布足しします。そしてファスナーを付ける準備が整います。

ベルトの縫い代の関係で、2cmほど表に見えますが、この手のパンツはTOPSをINNで着用することは少ないので出来るだけ風合いを合わせて後はベルトでカバーすることになります。(今回はベルト通しも別布で5本付けました)今回は紐通しが表にあって結べる状態に出来たので、紐はそのまま残しています。後に紐を結ぶのが面倒になったら、その時は紐を抜いて頂ければいいかと思います。

もちろん、それなりの料金はかかりますが、脱ぎ着がしやすく、安心してお召し頂けるようになりました。

例えば一緒にパンツの丈を5cm以上短くする場合は、切り取った残布を活用することができます。その場合がウエストに縦線一本増えるだけで違和感が全くない仕上がりになります。もしも、どこかで丈を短くしたのであれば、残り布を一緒にご持参頂けると助かります。こうやって購入したものを、より着やすくカスタマイズするお直しも最近は承ることがあります。既製品では、中々思い通りにいかないこともあるんですよね。

他に例えば「ゴムが落ち着かず、ウエストが下がって来る」のであれば、ファスナーを入れて通常のベルト仕立てにすることもできます。その際、脇だけゴムを残すことも可能です。(見頃の布の余り分はタックまたはギャザー寄せになります)

お気に入りの一品を、できるだけ長く大切に着用したいのであれば、ウエストの仕様の変更もできますので、お品物をご持参の上、ご相談下さい。ご一緒に、できるだけシンプルな変更方法をご検討させて頂ければ嬉しいです。