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おしごと通信【思わぬ出来事が・・・】

予期せぬ出来事もあるんです!

一昨日承った、紳士パンツの補正。

ご要望は、ウエストを広げ丈を調整するという内容でした。2着ほどお預かりしましたが、1着は何の問題もなく仕上げました。で・・・もう一着は裾がダブルで4cmほど丈を長くしたいのでシングルでお仕上げすることになってたんです。さっそく脇の糸留めを外しかぶらを開いて「えーー!」

内側の折り目を挟んで2つ穴が空いてる!「なに?なんで?どうして?」私が考えても仕方ないんで、お客様に画像を送り内容をお伝えしてご判断頂くことになりました。お伺いするとご本人様はタバコを吸わないそうで、なぜそんな所に穴があいているのか見当もつかないっておっしゃっていました。仲間と検討しましたが、もしかしたら、どこかの飲食の場で他人のタバコの灰が飛んで、かぶらの中に落っこちたのかも知れないという結論に至ったんですけどね。

今回はパンツだけをお預かりしましたが、日頃のお仕事のご様子を鑑みると多分これはスーツなんだと思います。この時期ですので、一着でも着まわせるスーツが多いに越した事はない。まあ、最終的にはお客様のご判断に委ねるしかないんですけどね。ひとまず、お預かりの代金を直ぐに御返金出来る様に準備して保留・・・となりました。

結果、その部分をミシン入れで修理して御依頼通りに仕上げることになりました。

別の場所から共布を切り出して裏から当てて芯補強して小さく小さくミシンを入れていく。丸い穴は案外目立ち易いです。前見頃側ではありますが、今回の場合は内股のラインから5cm位の場所だったので、お召しになってもさほど気にはならないのではないかと思っています。慎重に作業をして何とか目立たなくできました。

『開けてびっくり!どうしよう~』

実は補正のお仕事には、結構こういう予期せぬ出来事がありがちなんです。

お預かりの際に、いつもサーっと全体を確認して、気になる箇所はお伝えするんですけど、表から見えない部分は、後付けで見つかることも多々あります。その個所がサービスの範囲で修正可能な場合もありますが、料金が別途発生してしまう場合も当然あります。そこで、まずお客様に画像を送ったりお電話してりして解決策をいくつかご提案しています。その中で、納得のいく処理を選んで頂きます。勿論、こちらの判断で「補正不可!」って事もあります。お客様にお支払い頂く金額と、それだけの金額に見合う仕上がりにならない場合は何のメリットもありませんので、こちらからその旨をお伝えするようにしています。

我々もお客様も双方が納得のできる仕上がりで、また今迄通りに着用して頂き、お役に立ててもらいたい!

これが我々の補正に対する一貫した考え方です。常にその思いを成就するために日々奮闘しております。終生変わらぬ姿勢で今後も取り組んでいきたいと切に思う出来事でした。