スタンドカラーを衿なしにスッキリと～
スタンドカラーのワンピースです。衿全体にレースが貼り付けてあり衿裏が別珍素材なので、とても重たい雰囲気があります。作られた当初は、その重厚感とゴージャスな雰囲気がお気に入りだったとのお話でした。
時を重ね、もっと普段使いできるように衿を外してスッキリさせたいとのご要望です。ただ･･･レースを外すとどんな感じになるんだろう？衿ぐりをどう始末すればいいんだろう？あれこれ考えながら外してみました。
レースで隠れて見えませんが正面V字カットの内側は、裏当て無しのオーガンジーで透け感があります。一枚布なので見返り仕立てはNG！（あらら～）手法としては外した衿を利用して衿ぐりを包むこと。
そんなイメージで加工しました。ところが！裏は別珍なので表衿一枚しか使えない。どうしても長さが足りません。仕方なく後ろに継ぎ足しして衿ぐりを包みました。（パイピングといいます）
さすがに継ぎ目が目立ちます。そこで外したレースに着目！そうです。後ろだけ衿ぐりから再度レースをはりました。こうすれば継ぎ目も目立たず、のっぺらぼうになった後ろ見頃にアクセントがつきました。全体のゴージャス感は残しつつ･･･衿ぐり自体は思ったよりも繰りが深いのでノーカラーしても改めてカットする必要がありませんでした。そのままパイピングしても、ご覧の通り鎖骨あたりまでデコルテできました。胸元のオーガンジー部分もレースを重ねてあるので、別付けのお花の位置を変えれば、透け感も気にならなくなりました。
後ろはこんな雰囲気です。
スッキリしました。衿がなくなるだけで随分軽さが出てきました。これなら普段のお出かけにもお気軽に活用頂けると思います。
お手持ちのお気に入りワンピースも部分的に修正するだけで、新しいイメージと雰囲気を手に入れる事ができる場合があります。モノを大切にする観点からも、お気に入りはいつまでも着続けたいというお気持ちからも、こんなリフォームはいかがでしょうか？今回ご依頼頂いたお客様も「どうだろうか？大丈夫だろうか？」と随分悩まれたそうですが、完成したワンピースをご覧になって、とっても喜んで頂きました。加工させて頂いて、こちらも嬉しかったです。
